黒松の冬期剪定
冬期剪定は、11月〜2月上旬の芽が固まった頃に行うのが望ましい。

@松の手入れは素手で行う。
理由→ 
 1.松には樹ごとに個性があり、それぞれ葉の硬さ、葉の長さ、葉の
  色が違うものである。そして、それは個性によるものと健康状態が
  影響しているものとある。(この点は、一朝一夕で見極めるのはなか  なか難しい)
少しでも多く情報を樹から得るため、素手での感覚を大事にすべきである。
 2.松の手入れは、非常に細かい作業である。手袋をしていると、
  他の芽を傷つけてしまうし、細かい作業がしづらい。

A手入れは、上から下へ。
  (頭頂部から下枝へ)
  (一枝ごとの作業の場合
          奥から手前へ)

理由→
 1.松の葉は、枝先に向かった流れがあるので、奥から手前へ進
  めれば葉を傷めない。また、後から、奥へ手を何度も入れない。
   後から手を入れると葉の流れに逆らうので、芽・葉を傷める。
 2.頭頂部から下枝に作業すると、ゴミが下に落ちていくので、二度
  手間にならなくてよい。

      ポイント→松の為にも、出来るだけ一度で仕上げる!

B古葉とりが基本。
  (新葉による枝つくり)

理由→
  松は、年毎に新芽を伸ばし、新芽には若いキレイな葉をつける。
  そして、若く綺麗な葉のある枝から、翌年の新芽がさらに育っ
 ていく。だから、常にそれぞれの枝元に前年の葉をつけ、枝先に
 新しい葉と芽をつける。
  よって、冬期手入れの基本は、古い葉をこそぎとり、新しい葉だ
 け残すことである(図2参照)。

古葉とりのコツ→
 
 方法1(上級)
   とりたい葉先の隙間から人差し指を入れ、指を葉元に向かっ
  て、枝を一周するように、ぐるりとひねりながらかきとる。

 方法2(普通)
   親指のツメで葉元に向かってこそぎとる。
   指を濡らしておくと、滑りやすく作業しやすい。
        (寒いけれど、雨の日 は作業に適している。)
   葉の下側になる部分をしっかりととる。
        (葉が立って見えて勢いが あるように見える。)




C枝すかし(カット)

方法→
  仕上げたい輪郭線を出た強い芽を元からとりのぞく。強い芽の
 内側にある、弱い芽の手前で切る。

枝きりのコツ→
  1.仕上げたい輪郭線(図1参照)より内側の芽で切る。
                 (柔らかな葉先の仕上がりになる。)
  2.懐(内側)の小さな芽を残す。(将来の枝作りのため)
  3.長く間延びした枝は、不細工である。できるだけ短い枝を多数
   作ることを心がける(図1下参照)。



                     ↓



D補  足  1.枝すかし→古葉とり の順序が基本
    まずは、いやというほど、枝をすかしてしまい、その後ゆっくりと
    古葉とりをする。
    コツ→わからない時は、まず古葉をとれるだけとってしまう。
        枝ぶりが良く見えるので、枝すかしがやりやすい。
    
 2.松の葉は、ハサミで途中切りしない→
     金物を嫌う。切った部分が赤茶けてしまう。

 3.葉の量は、下枝ほど濃いめに→
     松は、上へ上へと伸びて、下枝を枯らすていく傾向がある。
    一般的に上へ行くほど樹勢が強く、下ほど弱いもの。全体の
    バランスをとるために、上を強く、下を弱めに手入れする。


 4.松葉は、太陽の光と、風を好む→
     葉が混んでいくと、内側の芽に光が当たらなくなり、枯れ
    ていく。しかも、風が抜けないので、病気、虫の温床となる。
    

 5.仕上がりの目安→
     枝下から、空を見上げて、かすかに触れあった葉の隙間か
    ら、パラパラと空が見える感じ。もしくは、そよ風にそれぞれの葉     先が気持ちよさそうになびいているように見えれば、十分である。


 6.一般的に庭木とされる松には3種類ある。
     @黒松(男松)・・・・・硬い葉、葉は2本。 
     A赤松(女松)・・・・・柔らかい葉、葉は2本
     B五葉松・・・1ヶ所から葉が5本でている。
     手入れの仕方は、基本的に同じだが、時期、回数などの
    違いがある。今回の黒松については、基本的に年2回。冬期
    と初夏の剪定が一般的である。